人気ブログランキング | 話題のタグを見る

評価

テストを返却するとき、必ず生徒たちに言う言葉がある。
「点数が変わる人は、上がる人はもちろん、下がる人も持ってきてくださいね。」

1ヶ月ほど前の中間考査では、点数が下がることを申し出た正直な生徒が数名いた。
嬉しいことだ。

以前の同僚に「点数が実際より良く付けられているのは先生のミスだから(生徒に責任はないので)そのままでいい」と言っている人がいた。
しかし、それは間違っていると私は思う。

評価に対しての意識の違いなのだろうか。
人間(教員)が人間(生徒)に点数を付けるというのはやはり不遜な行為である、という思いが私にはある。たとえそれが単なるテストの点数に過ぎないとしても。
しかし、職業上あるいは立場上評価を行わなければいけない。
であるならば、評価に際しては出来る限り「誠実」であること、それが教員の義務であると思うのだ。

では、「誠実」な評価とは……。

それは決して「良く」「甘く」点を付けることではない。もちろん「厳しく」「辛く」付けることでも。
「誠実」な評価とは、その生徒の学力を可能な限り「正確」に評価してやることだと思う。
できるなら良い評価、できないなら悪い評価になるのは当然のこと。過大評価も過小評価も、その生徒のチカラを正当に評価していないという点では、「いい加減」な評価なのだ。
「いい加減」な評価が相手を侮辱する行為であることは言うまでもないだろう。
過大でも過小でもなく「正確」に評価すること……それが人間が人間を評価するという不遜な行為に際して教員に課された義務だと思う。

だから、私は点数が下がる場合も申告させるのである。(もちろん、それ以前に採点ミスがないように気をつけるのは言うまでもない。私は採点ミスはかなり少ない方だと自負している。)

ついでに言えば、高校時代、私も自分から点数が下がることを申し出たことが数回あった。間違いで良い点数をもらっても「得した」と素直には喜べなかったから。

そう言えば、買い物をしておつりが多いときも必ず返してしまう。
これも性格なのだろうか。
評価_f0052907_458215.jpg

Commented by bisakura at 2006-06-22 16:14
こんにちは。
私は教師になってまだ4年しかたっていませんが、学生の評価をするときはいつも悩みます。その単位を落とすことで、卒業できなかったり資格が取得できないという場合は特に。自分が他人を評価することへの戸惑いは、何年たっても消えません。
先生の中には、全学生にA評価をつけるという方もいらっしゃいますが、個人的にはそういう教師にだけはなるまい、と思っています。学生に対して正確な評価を与えられる教師でありたいと思います。すごく難しいことですけれど。
Commented by bakugahops at 2006-06-22 17:53
人が人を裁く裁判も不思議な感じもします。
・・・と、『通信簿』も不思議な感じがします。人を評価するのは難しい。

うちの塾に来ている子(問題のある子2名)は頭が良く、オープンテストなどの成績も上位。
だけど、学校の成績は悪い。眼を離したすきに、人に傷つける言葉を言っていたり、挑発したり、辞典の角で他の子の頭を叩いたり。

こんなだから、学校でも先生の人としての評価は悪くなるだろーなって。
先生も人間だから、テストの点だけで判断しかねたりするのかなって。

私は、最初に手を出さなくても、卑怯な真似をしたり、挑発したり、嘘をついたり、自分の都合しか考えない子には、本気で怒っちゃいます。
そして、最初から『嫌だ』『できない』って言うあきらめる姿勢も正したいと思います。テストの点数を伸ばしてあげないといけないけど・・・

教育は難しい。
Commented by satten0324 at 2006-06-22 22:49
私も採点間違いのときは申告していました。
たとえそれで下がっても、やっぱり自分の正確な点数でないと嫌でした。

中学校で、漢字の小テストのときに、平気でカンニングをする女子がいて、頭にきました。でも結局注意することは怖くてできませんでしたね;
Commented by usagi-kani at 2006-06-23 05:16
bisakuraさん、こんにちは。

全学生にAをつける…その先生なりの思想が背景にはあるんでしょうが、記事にも書いたように、いい加減な評価(学力を正確に表していないという点で)はその学生に対する侮辱だと思います。
私もそういう教員(←私は教師って言葉に抵抗があって使えません)にはなるまいと思っています。
Commented by usagi-kani at 2006-06-23 05:17
バクガさん、こんにちは。

私が頭に来るのは掃除をしない生徒ですね。真面目なコが一生懸命やっている、その横でペチャクチャ。どうして平気でそんなことができるんだろう、とむしろ不思議です。頭というか心の回路が一部切れちゃってるんでしょうね。いくら勉強ができてもそんなコは認めたくありません。
少子化のせいか、一人一人のコが手をかけてもらえるので、自分を中心に考える傾向がますます強くなっているような気がします。
Commented by usagi-kani at 2006-06-23 05:18
sattenさん、こんにちは。

>私も採点間違いのときは申告していました。
>たとえそれで下がっても、やっぱり自分の正確な点数でないと嫌でした。

あっ、仲間がいた(笑)。

sattenさんなら、そうでしょうね。バイト先のお弁当の記事を読んで、すごい正直な人なんだな、と思っていたので。
納得です。
by usagi-kani | 2006-06-22 04:58 | 学校・教育 | Trackback | Comments(6)