2011年 11月 28日
『マスカレードホテル』を読んで3作品の中では、私はこの『マスカレードホテル』が一番おもしろかった。
何となく「この人が犯人じゃないか」「狙われてるのはこの人じゃないか」というのはわかってしまったが、その予想がひっくり返されるのではないか、あるいは(予想通りだとしても)「どんな理由で?」という期待感から読むのを止めることが出来なかった。
また、そのような「推理小説の楽しみ」以外に、「ホテル小説としての楽しさ」とでも言おうか、客たちの様々な人間模様や、それにホテルマンたちがどう対応するか(立ち向かうか)というのがまた楽しめた。いや、むしろそちらの方がおもしろかったくらいだ。中高校生が読んだら、「ホテルで働きたい」と思うようになるのではないだろうか。それくらい、登場するホテルマンたちは格好良かった。
作品中の一流ホテルマンのプロ意識にも感動したが、これだけのレベルの作品をこの頻度で発表できる東野圭吾は大した「プロ」作家だと改めて感心した。