日々の出来事、言葉との出会いを綴っていきます。何年後かの自分のために。

by usagi-kani

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最近読んだ本

どういうわけか読書欲が高揚してきて、普段の3倍くらいのペースで本を読んでいる。普段は月2、3冊だから、月10冊に近いペースだ。今月は10冊を越えたかもしれない。
本を読むのはもちろんよいこととして感じているから、困惑しているわけではないのだが、なぜ急に読書欲が高まったのかは自分でも不思議だ。

■『ノルウェイの森』(村上春樹)
読むのはもう何度目だろう。何回読んでも、素晴らしい小説だと思う。
初めて読んだときは「直子」の印象が強かったのだが、読み返すたびごとに次第に「緑」が魅力的に思えてくる。なぜだろう?

■『光の帝国』(恩田陸)
超能力(?)を持つ常野一族をめぐる十の物語からなる短編集。
ネットのレヴューの評価は高めだが、個人的には読むほどの価値はなかったな。

■『純愛時代』(大平健)
「純愛」というと、身体の関係のない精神的な恋愛を思い浮かべる年代(自分だけ?)なのだが、やはり時代は変わったようだ。恋愛にどこまで本気でのめり込むか……精神科医の患者の事例集だから、登場人物たちは皆精神を病んでしまうのだが……が「純愛」かどうかを決める。計算や抑制の働く恋愛は「純愛」ではない。肉体関係の有無は関係ない。
それにしても、単なる症例集にしか私には思えない。もっと分析があってもよかったのではないか。

■『きっこの日記』(きっこ)
数ヶ月前からブログを読み始めた。古い記事も読んでみたいと思っていたので購入した。
買って損したとは言わないが、わざわざ買わなくてもよかったかな。続編も出るようだが、もう買わない。ネットで読むだけで十分。

■『女たちのジハード』(篠田節子)
数名の独身女性の、恋愛、結婚、仕事、要するに人生を描いた物語。
個人的にはすごく好きな小説で、読み返すのは4回目くらいだろうか。女性ってこういう考え方、感じ方をするのかと「学習」しながら読んでしまうのだが、果たしてどの程度正確に「女性」を描いているのか不安になることもある。間違った女性観を植え付けられている可能性もあるから(笑)。
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by usagi-kani | 2007-01-31 05:45 | 本・ことば | Comments(2)

引き算の優しさ

恩田陸『夜のピクニック』を読み終えた。

感想は……
読むのが遅すぎた、もう読むべき年代を超えてしまっていた、と感じた。

文中に「…今から二人の新しい関係を待ち受けている時間。…これからの関係こそが、本当の世界なのだ」とあるが、もう自分には「これからが本当の世界」なんて考えることはできない。「今ある世界が本当の世界」と考えて(自分に思い込ませて)生きていくしかない。
もう後戻りできない地点まできてしまったことをつくづく思い知らされた。
書物には読むべき時期がある、という言葉の正しさを実感させられた小説となった。

印象に残った言葉を記しておく。

「他人に対する優しさが、大人の優しさなんだよねえ。引き算の優しさ、というか。大体、俺らみたいなガキの優しさって、プラスの優しさじゃん。何かしてあげるとか、文字通り何かあげるとかさ。でも、君らの場合は、何もしないでくれる優しさなんだよな。それって、大人だと思うんだ」
この「引き算の優しさ」って言葉、いい!! どっかで使おう (^_^)
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by usagi-kani | 2006-02-05 06:00 | 本・ことば | Comments(0)

現在読んでいる本から

印象に残った文章を記しておく。

日常生活は、意外に細々としたスケジュールに区切られていて、雑念が入らないようになっている。チャイムが鳴り、移動する。バスに乗り、降りる。歯を磨く。食事をする。どれも慣れてしまえば、深く考えることなく反射的にできる。
むしろ、長時間連続して思考し続ける機会を、意識的に排除するようになっているのだろう。そうでないと、己の生活に疑問を感じてしまうし、いったん疑問を感じたら人は前に進めない。だから、時間を細切れにして、さまざまな儀式を詰め込んでおくのだ。そうすれば、常に意識は小刻みに切り替えられて、無駄な思考の入り込む隙間がなくなる。(恩田陸『夜のピクニック』より)

どんな思考も個人の変化・成長の糧となるはずだから、「無駄な思考」というものは個人レベルでは存在しない、おそらく。
あるとすれば、社会レベル。特に資本主義社会では「前に進めない」ことは衰退あるいは崩壊につながる。だから考えさせないシステムが必要になるのだろう。
ゆっくり物思いに耽る……そんな機会は本当になくなってしまった。日本人はどこまで忙しくなるのだろう、あるいは忙しくなれば気が済むのだろう。
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by usagi-kani | 2006-02-03 05:28 | 本・ことば | Comments(0)