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鬼ごっこ

20日の土曜日、息子と二人で白河関の森公園に行った。
ほとんど栃木県との県境で、家からはクルマで1時間弱かかる。そのため、滅多に行けないが、大きいトランポリンや長い滑り台、アスレティック的遊具があり、息子の好きな場所のひとつである。

鬼ごっこ_f0052907_229688.jpg

(写真はトランポリンで飛び跳ねているところ。あまり躍動感はないな…)

息子はひと通り遊具で遊ぶと……

3人のお兄ちゃんのグループ(兄弟らしい。小6、小4、小2?←身長からの勝手な想像)を見つけ、彼らと行動を共にし始めた。
お兄ちゃんたちがトランポリンで遊びだすと自分もそこへ行き、滑り台へ向かうと後をついて行く、というふうに。

ひとりっ子だから、一緒に遊んでくれる相手が欲しいんだろうな、と思いながら見ていた。
子供は特にちょっと年長の同性の子と遊びたがるものである。お兄さん・お姉さんの真似をしながら成長するようにプログラムされているのだろう、たぶん。

お兄ちゃんグループも、どっかの子供が自分たちの後をついて来ていることに、それが偶然でないことに気づき始めた。
知らないちびっ子に唐突にそんなことをされても素直に受け入れられるはずもなく……「ヘンな子供が付いてきてるぞ。振り切ってやろう」というふうにアスレティック遊具の中を大急ぎで逃げ始めた。
離されまいと懸命に追いかける息子。急ぐあまり、足を踏み外しそう(ハラハラ)。
それでも、お兄ちゃんたちに付いていけるはずもなく、時々完全に引き離されてしまうのだが、そうなると、遊具から降りて地面を走って先回りしたり。
諦めずにずっと追いかけている。

そんな「鬼ごっこ」をちょっと切ない気持ちで見ていた。
お兄ちゃんたちには突然現れた見ず知らずのちびっ子なんて邪魔者でしかないはず。いくら追いかけても友だちになんてなれやしないだろう。

それでも懸命に追いかける息子。

永遠に鬼が代わることのない「鬼ごっこ」。しかも、捕まえたいのは、「誰か」ではなくて「友情」という目に見えないもの。
相手にしてもらえないという現実に気づく前にやめさせたほうがいいのだろうか。自分が受け入れてもらえなかったという経験がトラウマになって、今後友だち作りに臆病になってしまうかもしれないから……。

結論が出せないまま時間が過ぎた。

見えないところに行っていた息子が突然私のところへ戻ってきた。
「ねえ、(公園の)外に出ちゃダメ?」と言う。
公園に隣接して芝生の広場があるのだが、お兄ちゃんたちはそっちへ行ってしまったらしい。ちびっ子につきまとわれてイヤになってしまったのかもしれない。
もう昼時でそろそろ帰ろうと考えてもいたので、「いいよ。でももう帰るよ」と答えて、広場へ向かった。その広場はちょうど公園からの帰り道にあるので、どっちにしてもそこは通ることになるのだ。

公園の出口が間近になったとき。
なんと!先ほどのグループの一番小さい子が広場から走って戻ってきた。
そして息子のところまでくると無言でクルッと向きをかえ、広場の方へ走り出した。息子も後を追って……。
何の言葉もなかったけど、息子を迎えに来たのだということは見て取れた。

走っていくちびっ子二人の白いランニング姿(暑いのでシャツを脱がせて下着のランニングにさせていた。相手の子も同じだった)がまぶしかった。
by usagi-kani | 2006-05-23 02:32 | 日記 | Trackback | Comments(0)