2014年 02月 26日
『「わらしべ長者」の経済学』ノート(板書)年度初めに「今年度はどの教材をやろうかな」と教科書を一通り読んでみて、「これは面白い。絶対やろう」と思ったのがこれ。「羅生門」と並んでこの教科書(数研出版「国語総合」)で扱いたかった教材だ。
昔話「わらしべ長者」をモデルに経済学の考え方を読者に理解させようとしている評論である。文学などというものを志す人間の常として(?)私も経済や政治には疎いのだが、非常にわかりやすく説明されていると思った。経済学というと「金儲け」が連想され、それゆえ「ずるい」「汚い」といった方向に連想は進んでしまうのだが、この評論では、「自発的な取引によって、取引に参加した全員が利益を得る」つまり「交換によって皆が得をする(幸せになる)」のが経済学の原則だという。
確かに、消費者は幸せになりたくてものを買う(お金を払う)のだから、お金を得たということは人を幸せにしたということに他ならない。お金をいっぱい儲けた、ということは、それだけ多くの人を幸せにした、ということになる。そう考えれば「金儲け」は卑しいことでも恥じるべきことでもなく、むしろ誇るべきことなのかも知れない。