2013年 05月 17日
小川洋子「人と人が出会う手順」ノート&学習プリント新1年生の最初の教材は、小川洋子さんの随想「人と人が出会う手順」。
高校に入学して、新しい友達と出会って……まさにこの時期に扱う教材としてふさわしいものだと思う。
抜け殻、というささやかな言葉に導かれ、こうして出会った不思議をしみじみと味わった。
筆者は、「誰かと知り合う」こと、を「出会い」とは考えていない。ガイドさんと知り合うのに「抜け殻」は関係していないからだ。ガイドさんと「抜け殻の話で一緒に笑った」からこそ、「抜け殻に導かれた」と言えるのである。つまり、筆者の考える「出会い」とは、単に「知り合う」ことでなく、相手との関係性を構築することなのである。わかりやすく言ってしまえば「相手と親しくなること」が「出会い」なのだ。だからこそ、最後の灯台守研究会についての想像も「…誰かと誰かが出会い」で終わらずに「灯台守の文献を調べたり、各地の灯台を訪ね歩いたりして、絆を深めている様子」にまで及ぶのである。
たまたま同じ学校に入学し、同じクラスに振り分けられた生徒たち。
彼らはまだ真に「出会って」はいない。これから授業や学校行事といった経験を共有することで「出会って」いくのだ。いわば「偶然」の出会いを「必然」に変えていくのである。
ただ、この問題の答えはこれでいいのか、という質問には答えたいと思いますので、もし尋ねたいことがあれば遠慮なくどうぞ。
抜け殻収集家の小説を書いた後だったから、だけを答えにする考え方もありますが、それだと誰が口にした「抜け殻」であっても同様の反応をしなければいけなくなります。「抜け殻」という言葉を耳にする機会は他にもあったはず。ここはやはり関心のある人(つながりたいと思っている人)が言った「抜け殻」だからハッとしたのでしょう。だから、新高1さんの解答は完璧だと思います。