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『山月記』ノート(板書案)その2

第四段「李徴の告白②~詩への執着~」

○李徴「詩を伝録してほし   問 「業」「この運命」と
 い」                 はそれぞれ何か。
                  答 業=詩人として名をな
                    すこと
  ↓                  運命=虎になったこと
○李徴の詩を聞いた袁傪の
 感想
・格調高雅、意趣卓逸
・非凡な才
  ↑
  ↓
・第一流の作品となるには → 「微妙な点」とは?(後で
 どこか(非常に微妙な点   考える)
 において)欠けるところ
 がある

○李徴の自嘲
・虎になっても詩に未練を
 持っている
  ↓
・即席の詩

【第四段のポイント】
◆李徴は虎になってことを「運命」ととらえている→李徴を
 導いた声は「運命」とも考えられる
◆虎になっても李徴は詩に強い執着を持っていて、そのよう
 な己を自嘲している
 →実現不可能な立場になっても夢を捨て切れずにいる人を
  我々は笑う(ことができる)だろうか?


第五段「李徴の告白③~虎になった理由~」

○残月-光冷ややか     
  ↓
 暁(夜明けが近い)

○人々はこの詩人の薄幸を
 嘆じた            → 人々は李徴を「詩人」とし
                   て認識している

【虎になった理由】   【注意】あくまで李徴自信が考え
               るものであって、正解とは
               限らない

・臆病な自尊心  --
              | → 自分の能力を信じてはいる  
・尊大な羞恥心  --    が、実は才能が無いことが
                  明らかになってしまうかも
                  知れないという恐れから、
                  人と交わって努力すること
                  を避ける心理=才能がない
                  ことを暴露して恥をかくこ
                  とを恐れるあまり、他者を
                  見下しているように見える
                  態度をとってしまう心理
  ↓
・人間は誰でも猛獣使いで
 あり、その猛獣にあたる
 のが各人の性情
  ↓
・李徴の場合、尊大な羞恥
 心が猛獣(虎)
  ↓
・外形を内心にふさわしい
 ものに変えてしまった

【李徴の後悔・悲嘆】
「才能の不足を暴露するか → 「臆病な自尊心」「尊大な
もしれないとの卑怯な危惧    羞恥心」の言い換え
と、刻苦をいとう怠惰とが
おれのすべてだった」
  ↓
・才能の空費に気付くが、
 もはやどうしようもない
  ↓
 胸を灼く悲しみ
  ↓
「おれの毛皮のぬれたのは → 孤独の寂しさゆえに涙を流
、夜露のためばかりではな    したということ
い」

【第五段のポイント】
◆「尊大な羞恥心」は自分にもある心理か? 人間に普遍的
 な心理か?
◆才能があっても努力しなければ駄目→当たり前のことだが、
 再認識させる


第六段「李徴の告白④~妻子に関する依頼~」

○李徴の二つ目の依頼
・妻子には李徴は死んだと → 虎になったことを知られる
 告げてほしい           軽蔑される→自尊心が傷つ
・妻子が道塗に飢凍するこ    くことを恐れている?
 とのないように計らって
 ほしい
  ↓
「本当はこのことを先にお → 李徴の人間観=自分の夢よ 
願いすべき」「妻子より自    りも家族を優先するのが人
分の詩業を気にかけている   間である
ような男だから、獣に身を
堕とすのだ」

○振り返って自分の姿を見
 てほしい
  ↓
 再び会おうとの気持ちを
 起こさせないため

【第六段のポイント】
◆夢と家族のどちらを優先すべきなのか? 李徴の言うよう
 に、夢を優先するのは人間として間違っているのか、を考
 えさせる。
◆李徴が袁傪に姿を見せようとしているのはなぜか? 「再
 び自分に会おうとの気持ちを起こさせないため」以外に理
 由はないのか、を考えさせる。


第七段「李徴と袁傪の別れ」

袁傪一行は振り返って先ほ
どの草地を眺める
  ↓
虎が躍り出る
  ↓
すでに白く光を失った月を → 「月の光」は何のメタファ
仰いで、咆哮する        ーか?→李徴の人間として
                   の意識(第五段の「残月、
                   光冷ややかに」も参照)
  ↓            
もとの草むらに入って、再 → 「その姿を見なかった」と   
びその姿を見なかった     いう表現→李徴が人間性を
                   失ってしまったことを暗示
                   する(「見せなかった」だ
                   と人間としての意識が残っ
                   ていることになる)

【第七段のポイント】
◆李徴は袁傪たちに姿を見せて以降人間性を失って虎になっ
 てしまったことが暗示されている。逆に言えば、李徴が袁
 傪に姿を見せたのは「虎として生きる(覚悟を決める)た
 め」ではないか(←第六段で考えさせたこと)
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タイトル : 子どもにいい影響を与える夫婦喧嘩の仕方
『山月記』ノート(板書案)その2 : Hello,Again... more
by usagi-kani | 2012-06-07 06:16 | 学校・教育 | Trackback(1) | Comments(0)