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『山月記』語句

5月30日エントリー「『手の変幻』ノート」には結構な数のアクセスがある。
授業での不明点を明らかにしようとして高校生がアクセスしてくるのだろうか。それとも、先生が授業のヒントを求めてだろうか。
彼らの目的達成の一助となったかはわからないが、自分のためにもなることなので、他の教材のノートもアップしてみようと思う。

次の教材は『山月記』。
『手の変幻』は生徒のノートをそのままアップしたが、著作権あるいはプライバシーの問題があるかも知れないので、PCで打ち直したのをアップしようと思う。

最初は、生徒に配付した語句プリントをアップする。
ノート(板書)は次回から。乞う、ご期待(笑)。

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『山月記』語句

*補せられた……任官された。
*狷介……頑固で、他人に心を開こうとしないこと。
*自ら恃む……自分の力量などに自信を持つ。
*賤吏に甘んずるを潔しとしなかった……下級役人の地位に満足するのを快しとしなかった。
*故山……故郷。
*起臥……官職などを辞して、故郷に帰って隠遁すること。
*焦燥にかられる……気があせり、そのことに強くとらえられる。
*肉落ち骨秀で……頬の肉が無くなり、頬骨が鋭く現れること。やせた様子。
*炯々として……眼光が鋭く光る様子。
*節を屈する……自分の志を曲げて人に従う。
*奉ずる……うやうやしくうける。承る。
*怏々として……心に満足できないさま。
*勅命……皇帝や天子の命令。
*驚懼……おどろきおそれること。
*久闊を叙す……久しぶりで会ったことを喜び合うこと。
*異類の身……人間ではない生き物。
*畏怖嫌厭の情……恐れたり嫌悪を覚える気持ち。
*故人……昔なじみの友人。
*茫然……あっけにとられているさま。
*誦んずる……暗誦する。
*叢中……草むらの中。
*業いまだ成らざるに……(詩人としての)業績がまだ実現していないのに。
*格調高雅、意趣卓逸……詩の体裁や品格、調子が高貴で優雅であり、また詩の内容や趣が特に秀でていること。
*自嘲……自分で自分を軽蔑してあざ笑うこと。
*漢詩の意味……「たまたま狂気に冒され獣となってしまった。災いは重なりそこから逃れることは出来ない。今日、人食い虎なった私の鋭い爪や牙に誰が一体敵うであろう。昔は、こんな私でも進士として君とともに名実ともに高かった。しかし私は草むらの陰で獣となり、君はすでに立派な乗物にのって気勢さかんである。親しかった旧友に会えたこの夕、渓や山を照らす明月に向かって、この苦しみを訴えようとして歌おうとすれば、人ならぬ獣の悲しさ、歌声にはならず咆哮するばかりである。」
*粛然……おごそかで心が引き締まるようなさま。
*倨傲……おごりたかぶること。
*鬼才……人間のものとは思われないような優れた才能(の持ち主)。
*俗物の間に伍する……つまらない人物の仲間になること。
*刻苦……骨折り、苦労すること。
*碌々として……平々凡々と、何の努力もしないまま。
*警句……人生などについて、奇抜で気の利いた感想を、簡潔に鋭く表現したもの。
*専一……他を顧みないで、ある物事だけに力を注ぐこと。
*巌……高く大きな岩。
*孤弱……たよる人がなくてか弱いこと。
*飢凍……餓え凍えること。
*慟哭……悲しみのあまり、声をあげて泣くこと。
by usagi-kani | 2012-06-04 21:45 | 学校・教育 | Trackback | Comments(0)